お天気教室

秋雨前線と台風


◆秋雨前線とは・台風との関係とは

8月下旬もしくは9月上旬位から10月にかけて、日本付近に停滞前線が出現します。
これがいわゆる「秋雨(あきさめ)前線」です。この時期は夏から秋への季節の移り目となり、この頃の長雨を「秋霖(しゅうりん)」と呼びます。



さて、秋雨前線出現の簡単なメカニズムです。
日本に真夏の猛暑をもたらす「太平洋高気圧」。
夏の間はこの「太平洋高気圧」が日本付近を覆います。
この高気圧が勢力を弱め、南へゆっくり退き始めるころ、大陸からは冷たい空気を持つ「シベリア高気圧」、北からは「オホーツク海高気圧」が張り出してきます。そうすると、2つの異なる性質を持つ空気が日本付近でぶつかり、前線が形成されるというわけです。

秋雨前線は、日本の北部に出現し、南北への小さな振動を繰り返しながら日本付近に停滞、やがて、南下して消滅し、本格的な秋を日本にもたらします。



ちょうど、台風が盛んに発生する時期とぶつかりますので、台風のエネルギー源である暖かく湿った気流が風によって前線に運ばれ、前線活動をより活発化させて大雨となることもあります。
天気予報ではよく「台風が前線を刺激」など表現されることもありますね。

春から夏への移り変わりに出現する「梅雨前線」。
日本の夏はこの「梅雨前線」が消滅することにより幕開けとなり、「秋雨前線」の出現により幕を下ろす。と考えると、少々趣深いですね。

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